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【クマのねぶくろ】#1(少女はクマに出会う)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) とある北の町。 「クマのねぶくろ」というのは結果的にという意味ですが、 とある北の町。 ふもとの小さな町。 クマはちょうど茂みに落ちた木の実を拾い集めてるところでしたが、 でも、どうでしょう!! 無邪気なクマはたちまち少女に恋をしてしまいました。 クマはいてもたってもいられず一目散に走り、 怖がらないで、恐れないで・・・だいじょうぶ。 少女は死角にいたクマを目にし一瞬ぎょっとしましたが、 そもそもつまらないことでお母さんとケンカして家出した少女は、 誘われるがまま、甘い花に囲まれた濃密な夜にクマと二人、 PR |
【クマのねぶくろ】#2(少年)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 森の少女にはおさな馴染みがいました。 小学校の中学年になるとクラスメイトの手前もあり、 近所だから仕方ない部分もあります。 ある晴れた日。 「あなたはどうしてそんなに派手なシャドーをつけるの?」 少年は化粧については何の感慨も興味もなかったので、 |
【クマのねぶくろ】#3(少年は追う)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 二人は森の奥へ奥へと入ってゆきます。 少年は実際とても狡猾でとても計算高い性格でしたので、 ①一人で森に入った女の子はいづれ淋しくなってシクシクと泣く。 浅はかなファンシーですね。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ どれくらい歩いたことでしょう。 そうとはつゆ知らず、うかつにも少女を追って森に入った少年はすっかり疲れ果ててしまい、 ふぅ・・・無理だ。 風はやさしく草原をそよぎ、少年にキスをします。 |
【クマのねぶくろ】#4(少年がみたおぞましいもの)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) カー・・カー・・カラスが鳴くから帰りましょう・・・あ? 少年が目を覚ますと外はすでにだいぶ暗くなりかけていました。 そうそう・・・彼女は一体どこへ消えたんだろう・・・。 少年は目を細めて辺りを見回します。 夕暮れの森はうっそうとして、少年はすこし心細くなりましたが、 道すがら少女の痕跡を追います。_ 少年は少女の中にある残酷も好きでした。 そうこうするうちに遠くの明かりはだんだん近くなり、 が…う…え? 少年は絶句します。 少年は耳をふさぎ、しゃがみ込みます。 少年はクマに向かう勇気なんてありません。 おわれおわれおわれおわれ… やがて一つの絶叫が広場をつらぬき、 |
【クマのねぶくろ】#5(少女のおもわく)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) わたしは小さなまるいものになって、 あるときおおきな風がふいて、わたしは勝手にはとべなくなりました。 あるとき、目を覚ますとわたしはわたしになっていました。 おかあさんはわたしにぬいぐるみをつくったり、 学校へはあまりいきません。 でもあるときわたしは森で大きなオスに出会いました。 目が醒めたとき、わたしは次にナニモノになってるのかな。 またとべたらいいな。 ふぁぁ・・・いいや、めんどい。 もう遅いからとっとと寝てしまいましょう・・・。 |
【クマのねぶくろ】#6(クマの平和な時代)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) ぼくはひとりだった。 ぼくは字がよみかきできないので、 にんげんとはほとんどかかわりません。 でも、ある晴れた午後にぼくはにんげんの女の子を好きになりました。 ぼくはにんげんの女を抱くのははじめてでしたが、 ぼくはひとりだった。 そんなこと考えながら、 暖炉の火を消す。 眠るんだ…。 さぁ、おやすみ。 愛してる……おやすみ。
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【クマのねぶくろ】#7(少年の闇の知恵)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) いろんな夢をつつんで・・・ 森の寒さに耐えかねて窓枠の下に白目をむいた少年は目を覚まします。 ・・・ぼくははいったいなにを見た? いや、それは違う。 さて、ぼくはクマに勝てるか? ではどうする? ではなにでヤル? 想像もつかない闇の知恵だ。 ひひひ・・・(◎д◎)ころせ・・・ころせ 少年はとても狡猾で計算高いにんげんです。 >!>!>!>!FUCK you!<!<!<!< いたくプライドを傷つけられた少年に愛などありません。 とびっきりの黒い知恵・・・。 ①クマの大切なモノを奪う。 もし、お池に入らなかった場合はどうする…? けけけ・・・パーフェクトやんけ。 少年はこおどりしてよろこび、 少年は白い息をこぶしにあてながら、 |
【クマのねぶくろ】#8(クマの惨劇)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 翌朝しらじらと夜が明け始める頃、クマは目を開き、 クマはそっとねぶくろを離れます。 暖炉に細い木を足して小さな火をつくり、 扉を閉める時。 踏み出した森の景色は心なしか昨日と少しだけ違うような気がしましたが、 クマは森の奥へと進んで行きます。 遠く山脈に積もる雪を朝の白い太陽が純白に輝かせてます。 バリバリバリッ!? そのとき、けたたましい羽音が空から降って来ました。 みつばちはクマを谷あいの森にある泉へけたたましい羽音とともに誘導します。 クマは絶句します・・・なんでこんなことが・・・。 一瞬に視界が純白になり、クマは野生の咆哮を森中にとどろかせます。 しかし…なんだ…コレはなんだっ?! その手足には一瞬にして藻が絡まり、 ウガガアガ・・・ゴフウウ・・・ 必死で手足を動かそうとするのですが、藻はよけいにクマを締め上げ、 理不尽な痛み・・・哀しみ・・・苦しみ…。 クマの手足はしびれ、神経が寸断されました。 クマは遠い、遠い青を、遊ぶ水の向こうの遠くに見ました。 そして最期に少女の美しいほほえみを自分のすぐ近くに見ました。 今、世界は静かに消えてゆきました…。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そのとき…少女は笑っていました。 そして少年も笑っていました。 泉のほとり、木陰に隠れ、そのすべてを見届けながら・・・。
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【クマのねぶくろ】#9(クマ殺し動く)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 森のバンガロー。 少年は泉のほとり、中央でみつばちの巣が灰となり、クマが狂気の沙汰で沈み、 少女は充分に温まったスープを暖炉から下ろし、洗濯をはじめました。 ・・・夜になり、少女は孤独で泣きました。 すると・・・どうして? 「少し話したい。入っていい?」 うつむいたまま小さくうなずくと、
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【クマのねぶくろ】#10(少年の話し)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) クマは遠くに行ってしまったんだ。 もちろん帰れなくしたのは彼自身ですので、 ~ 少年の話したこと ~ きのう親戚からたくさんイチゴが贈られてきたんで、 ここのコトはケモノたちが教えてくれたんだ。 で…とても話しづらいことなんだけど、 ~ 少年が言うクマが話したこと(また聞きのまた聞き) ~ オレはケモノだ。 ことが終わると少女は満足してスヤスヤと眠った。 オレは人間のはらわたをすすりたい。 クマはそう言ったよ。 ~ 再び少年の話し ~ だからぼくはクマに言ったんだ。 クマが去ったあと、 少年はそこまでを話し、
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【クマのねぶくろ】#11(少女のカラッポ)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) こいつは一体ナニを言ってんだ…と、 少年は何も言いません。 少女はすっくと立ち上がって部屋を見渡します。 わたしは今なにを思えばいいのかしら。 少年は黙ったまま、それを横目でチラチラと見ていました。 少女は静かに嗚咽し、少年の肩袖に小さな鼻を押し付け、やがて大粒の涙を流しました。 …やがて少女は少年にそっと「抱いて」と言いました。
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【クマのねぶくろ】#12(少年のチェリー)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 木の皮をひとつひとつ剥ぐように、 少年は少女の後ろに回り、首にキスをし、軽く耳を噛みます。 少女がスカートを脱ぐと、 実際のところ、少年はその実物を見るのは初めてでした。 少女からすれば人間のそれなどクマに比べるまでもなく、 その刹那に少女は夢を見ている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 部屋が再び静寂と夜を取り戻し、ふと少女が気づくと、
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【クマのねぶくろ】#13(山を下りて町へ)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) やがて朝になりました。 彼は結局のところ最期まで私を愛してくれたんだわ。 少女は本当に久しぶりに笑いました。 まるで月曜日のように。 いつもの自分のように。 一方、少年は午前中ずっと惰眠をむさぼり、ゴロゴロとしていました。 午後になると少年は2回、昼とおやつの時間に少女を求めました。 2回目のSEXが終わると、少女は少年に「町へ帰ろう」と言いました。 そして少女は長い時間をかけて化粧をし、 ・・・・・・・・・・・・・・・10 years later・・・・・・・・・・・・・・・ 少年は中途半端なサラリーマンになり、 でも24歳になり町で偶然に会った二人は、
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【クマのねぶくろ】#14(社会への関与)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 町に戻った少年と少女は、 二人が16になり、それぞれの高校に進学すると少女の両親は離婚しました。 一方で少年は高校の始めの1年だけ少女を引きずりましたが、 社会に出て約3年。 青年になった少年のズルさは、 偶然にも彼が彼女と出会ったのはそんな頃です。 少女は夜の世界を抜け出したかと思うと、たやすく家庭におさまりました。 少年がルスの間、少女は庭に種をまき、花を咲かせました。 少女は庭に種をまき、少年がルスの間に花が咲きました。 少女は時々、透明なクリアタッパーに小さな黒い虫を満たし、 でもそんな彼女の姿は誰にも見られたことはありませんでした。
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【クマのねぶくろ】#15(スープの唄)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) コトコトとスープを温めます。 大切なもの丸いもの、 街は小さなわたしを犯しました。 にんげんのオスどもが果てます。 あたし結婚したかなぁ? クマは消えた。 胸の中の小さな部屋。 あたしはスープを温めます。 コトコトコトン、コトコト・・・と。
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【クマのねぶくろ】#16(回帰点)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) ある晴れた朝。 あたし、生きてていい? でも答えなんて始めから決まっています。 いくつか電車を乗り換えて街から離れると、 クマのねぶくろ。 古い理不尽は今も重く、重く、少女を過去へ否応なく引きずり戻します。 だからこそ、わたしはここにいる。 少女は森に向かいます。 意味・・・かけがえのない、意味。
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【クマのねぶくろ】#17(笑み/ 少年の静かな後悔)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 軽快な足取りで森の奥深く、 小屋を見上げます。 ・・・・・・・・・・・・・・少女の唄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まっしろなおうち 深い森にかこまれ 葉が赤くなって落ちると すべての気配が消える森の奥に まっしろなおうちがあって‥ 窓から悲しそうに 女の子が外を見てる その灰色のまなざしは 何を見るんだろう 誰を待つんだろう‥ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山を降りる時に閉めた窓はそのまま。 少女は大きなカギをナタで器用に壊しドアを蹴り開けます。 ずっとそうして来たように・・・晴れた月曜の朝のように。 軽く埃を払い壊れた古いものを集めて庭とダンロで燃やしていると・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 少年は街で少女の影を探しています。 そこに幸せの形など、描かれたことはない、というのに。
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【クマのねぶくろ】#18(フィナーレ/幸福論)
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 物語はここで終わる。 もし救いを導くならば、 みな誰もが、失われた幸せをかろうじてつなぎ、 でも、それが全てではない。 ぼくにとって、これはあくまでも幸福論である。 繰り返してゆく美しさがあるならば、 幸福 それは悲劇に逆らうことなく、 そんな風にぼくは、最近は考えている。 だから少女が再び手にした「インディアンの夜」を経て、 そうすることで、これは純粋に喜劇となる。 だからこれは幸福論なのである。
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<気まぐれな休日の手紙/Y・K>
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 新緑、とは言えないか‥まだ。 こっちは雨が降っていて少し寒い。 こじんまりした緑色の町。 土曜の午後にボクはキミを待っている。 車で空港に向かうと地方特有の大型スーパーがあって、 とても晴れてて‥空が高くて、腰までの雑草が風に揺れてる。 キミが帰って来る。 それから部屋に帰るとボクらはSexする。 でも快楽とはちがう、それはなにかだった。 それからキミはカーテンを開き、 ‥中略‥ 夜が更けると町は霧に包まれる。 やがて朝になる。 「じゃ行ってくる」とボクは言い、 そんな風にしてボクらは離ればなれになる。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 時がたてば記憶は極めて軽薄に、 わがままを言うタイミングを計る表情もそう、 折れない互いのわがままや、嘘や、迷いが、 ‥遠い昔に見た絵本みたく、目を閉じてめくると、 せつなく、微笑み。 今が幸せであればいい、と願う。 さよなら。 A to Y ‥気まぐれな2006年/春の休日に
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<Rain_#1>
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 口もつけてないコーヒーに目をやる。 はじめに誘ったのはわたしだった。 あなたはすぐに愛してるかを聞く。 3月をバースデーにしたのはあなたのため。 時計はとうに15:00を過ぎた。 知らない終着までゆく電車で北へ向かう。 知らない町。 服を着て、海岸へ向かうバスに乗った。 戻りたい。 灰色の町。 坂道を下る。 わたしは海に向かう。 静かに雨が降り続いていた。 |
<Rain_#2>
2007 / 07 / 04 ( Wed ) 小石に触れる。 それは呼吸し、身を揺らすようにして躍動する。 それは静かに、かすれるような声で、そっと語りだす。 ある年、少年は大きな地震を恐れた。 都内に住んでいた20代前半の娼婦を除き、 母親に怒られるまで、少年にそれはごく自然な日常だった。 心配になった母親は少年を医者につれていく。 とは言え子を生む以前から探していた母(つまり少年のおばあさん)の手紙を少年が手渡してきた時、 母親に怒られて以来、少年は小石と話すことをやめた。 無口な少年は海岸へ行く代わりに今度はベランダに座り何時間も空を眺めるようになる。 中学に上がると少年は少しずつ文章を書くことを楽しむ。 ~Non-Title~ はじまりは大きな夜 存在は光 だから 誰もキミを否定しない 小さな丘の上 おしまいは約束 鳴り止まぬファンファーレ ~ハレルヤ~ ベランダに座ることは習慣としていつまでも残った。 宇宙 ~ハレルヤ~ たった一つだけの約束を目指して…
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