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【クマのねぶくろ】#18(フィナーレ/幸福論)
2007 / 07 / 04 ( Wed )

物語はここで終わる。
フィナーレ。
ここでは幸せは誰にも訪れることはない。
はじめからわかっていた。
だからこれは単純な悲劇である。

もし救いを導くならば、
それはどんなにか大切なものだって、
いつだって簡単に消えてしまう事実を、
静かに認めてみせることだけだろう。

みな誰もが、失われた幸せをかろうじてつなぎ、
脚色しては、また引き伸ばして何となく生きている。
人生は長いマスターベーションだって、
ぼくみたいなタイプは漠然と思ってたりもする。
多分あなただって大差ないはずだ。
それも一つの見解。

でも、それが全てではない。

ぼくにとって、これはあくまでも幸福論である。

繰り返してゆく美しさがあるならば、
失われてゆくことの幸せもあるのかもしれない。
それは自虐の意味ではなくて、
誇りある死や苦痛から何かを誕生させる、
そんな希望のような意味で。

幸福

それは悲劇に逆らうことなく、
また過去を求めるでもない第3の路、
ただ求め続ける苦しみの中にあるのかもしれない。

そんな風にぼくは、最近は考えている。

だから少女が再び手にした「インディアンの夜」を経て、
もし眠りから覚めたとき、失われたクマを求めあてのない未来へ旅立つとしたら・・・
実際に彼女は驚くようなフットワークを持つ、力ある少女である。
ぼくはそれを知っている。

そうすることで、これは純粋に喜劇となる。

だからこれは幸福論なのである。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・おしまい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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