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【クマのねぶくろ】#4(少年がみたおぞましいもの)
2007 / 07 / 04 ( Wed )

カー・・カー・・カラスが鳴くから帰りましょう・・・あ?

少年が目を覚ますと外はすでにだいぶ暗くなりかけていました。
なに・・・どうしてこんなとこで寝てんだろう?くらい少年は思いましたが、
覚醒と夢のハザマで意識を揺らしながら徐々に自分を取り戻しました。

そうそう・・・彼女は一体どこへ消えたんだろう・・・。
確かあっちだったっけなぁ・・・。

少年は目を細めて辺りを見回します。
すると少女が消えた方角の少し先の方に、
かすかなオレンジの明かりが見えてきました。
あ、いたいた、と少年はこおどりしてよろこび、
誰にはばかることなく駆けだしましたが、
すぐに勾配はきつくなり少年は7分くらいでまた歩き出しました。

夕暮れの森はうっそうとして、少年はすこし心細くなりましたが、
この先に美しい少女が一人で泣いてるかもしれないと思うと、
そのハートビートは加速してゆくのでした。
泣いている彼女はぼくを見て、すこし微笑むかもしれない。
そうなれば彼女はぼくを好きになるから、
マスターベーション生活からの卒業だなと少年は思い描きました。

道すがら少女の痕跡を追います。_
少女の足あと、ところどころもぎ取られたまだ青い葉っぱ。
きれいに折られた枝、放り出したナプキン、中央から切られたカブトムシ。
逆にクモの巣の中央に放置されたミノムシなど・・・etc。

少年は少女の中にある残酷も好きでした。

そうこうするうちに遠くの明かりはだんだん近くなり、
それにあわせて少年はペースを落とし、
足音を忍ばせながらそのオレンジの光に近づいて行きます。
そろりそろりと近づくと森の真中にはポッカリと広場がありって、
その中央に小さいけれども、分厚い頑丈なバンガローが一軒、
ポツンと建っていたのでした。
はぁ…?と少年は思うのですが辺りはもう真っ暗です。
選択の余地なんてないのです。
少年は息を殺してバンガローに近づきます。
そして窓からそっとのぞくと・・・

が…う…え?

少年は絶句します。
バンガローの中では豪腕そうなクマが、
そのオニのようなペニスを華奢な少女の中に、
今まさに激しく滑り込ませているさなかでした。
少女は少年が今まで見たことのない女の顔をして、
むき出しになった自らの身体をクマの方へと投げ出し、
その絶頂へと悲鳴もろともに昇ってゆくところだったのです。

少年は耳をふさぎ、しゃがみ込みます。
時折もれてくる狂った音を自分から排除するために、
それこそ必死の思いで耳を塞ぐのでした。
目の中は閉じているにも関わらず赤くなったり白くなったりしました。
この悪夢を早く終わらせろ。
消えろオニ。
ああああああああああ・・・・・・・

少年はクマに向かう勇気なんてありません。
ここはただ耐えるしかありません。

おわれおわれおわれおわれ…
しねしねしねしねしねしね…
はねろはねろはねろくびくびくび…

やがて一つの絶叫が広場をつらぬき、
それが終わると森は、す・・・と静寂を取り戻しました。
そして少年は、おやおや窓枠の下で白目をむいて倒れていました。

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